大深度坑井掘削 Ultra Deep Well Drilling | |
開発エリアの拡大により、掘削到達深度もより深くなった。大深度と呼ばれる坑井に明確な定義はないが、一般的にMD5000m級の坑井を指す場合が多い。国内石油鉱業界では新潟地域において到達深度が5000mを超える坑井が増えており、学術ボーリングの分野では、ロシアなどで10000mを超える坑井を数年かけて掘削する例もしばしば報告される。大深度掘削の諸問題としては、掘削リグの大型化、高温や磨耗性の高い地層によるビットの損傷、泥水トリートメントの煩雑化、地層圧と地層破壊圧の差が小さいことによる困難なECDコントロール、地殻応力の影響、セメンチング技術の煩雑化等が挙げられる。 | |
分野 | 総合技術の進歩 |
同義語 | |
関連用語 | 高圧高温坑井 |
類似語 | |
略語 | |
ダイナミックキル法 Dynamic Kill Method | |
アニュラス部における流体の水頭圧と圧力損失の和が地層圧を超えるように,既存坑井あるいは救助井のドリルストリングから流体をポンプして暴噴を抑圧する技術。基本的に暴噴制御のために行われる。BOPで坑井を密閉できない場合に有効で,チョーク操作を必要としないが,大容量のポンプシステムが不可欠である。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | |
関連用語 | キックコントロール, キック, 圧力損失 |
類似語 | ブローアウトコントロール法 |
略語 | |
ダイナミックポジショニングシステム Dynamic Positioning System | |
浮遊式海洋掘削リグ(セミサブ,ドリルシップ)の位置保持システム。従来方式のアンカー設置なしに掘削地点に定点保持できるので,稼動水深に限界がない。現在の稼動水深の限界はライザーパイプの機械的特性から限定される。ウェルセンターの位置は,船体のハイドロフォン(トランスデューサー)およびウェルヘッドに設置されたトランスポンダーの音響信号で決定される。音響信号をコンピュータで解析し,目標位置を求め,環境条件(風,波浪,潮流)で補正しスラスターの向き,回転数を制御する。しかし常時スラスターを使用し船位を保持するため,大容量の動力を必要とする。 | |
分野 | 新技術 |
同義語 | |
関連用語 | ビーコン, ハイドロフォン, トートワイヤ, トランスポンダ, GPS, スラスター |
類似語 | |
略語 | DPS |
ダイバー Diver | |
海洋石油掘削作業には掘削装置の維持や海底坑口装置のトラブルシューターとして、また生産井の開発や建設の際にはパイプラインの接続やプラットフォームの土台等、また建設後の維持管理に潜水作業は不可欠なものである。潜水方法には、水深によりスクーバ、ヘルメット、フーカーなどの装置があるが、最高深度でも500mが限度とされるため、近年ではROV(Remotely Operated Vehicle)という水中ロボットが活躍している。 | |
分野 | 海洋掘削 |
同義語 | |
関連用語 | ROV |
類似語 | |
略語 | |
ダイバーターシステム Diverter System | |||
浅い深度でのキックが発生した場合,ガスなどがドリルフロアへ流出するのを防ぎ,リグ外にその向きを変え放出させる装置。アニュラー防噴装置と似た構造である。ダイバータラインは,エロージョンやプラグトラブル,背圧による地層への影響を考慮して,曲がりが少なく,径は14インチ以上の大径が望ましい。 | |||
分野 | 噴出防止用機器 | ||
同義語 | |||
関連用語 | アニュラー防噴装置, アニュラーBOP | ||
類似語 | バンジョーボックス | ||
略語 | |||
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タイバック Tie-back | |
坑井内に設置されたライナーハンガー最上部と坑口までケーシングで接続することをいう。このケーシングはタイバックケーシングとも呼ばれ、ライナーハンガー以深のケーシングと同径のケーシングである。タイバックケーシングはその下端部にシール部分があり、ライナーハンガー頭部内に挿入し設置される。またタイバック後タイバックケーシングをセメンチングする場合が多い。 | |
分野 | ケーシング? |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
耐腐食性合金 Corrosion Resistant Alloy | |
坑内の鋼管に発生す腐食は,H2S腐食,CO2腐食,H2S・CO2の混合腐食に大別できる。これらの腐食対策に用いられる材料を指すことが多い。H2S腐食対策には,Cr-Mo低合金鋼。CO2腐食対策には,Crの合金鋼が有効でマルテンサイト系13%Cr鋼や二相ステンレス鋼(22Cr鋼)が適している。H2S・CO2の混合腐食対策には条件にもよるが,Ni基高合金鋼が有効である。腐食環境の坑井では通常13Cr或いは22Crが使用されている。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | 耐腐食材料 |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | CRA |
大偏距坑井掘削 Extended Reach Drilling | |
水平偏距と垂直深度の比が2以上3以下の傾斜井の掘削を言う。それ以上をMega Reach Wellと呼ぶ。海洋油ガス田開発においては、1基のプラットフォームから到達し得る偏距が大幅に増大するため、開発に要するプラットフォーム数を削減するなど、開発コストの削減が可能。一般に、最適な坑跡はトルク、およびドラッグを最小にするものが求められるが、同時に、ケーシング降下時のバックリングや坑壁安定性も考慮して決定される。 | |
分野 | |
同義語 | |
関連用語 | Mega Reach |
類似語 | |
略語 | ERD |
たがね Chisel | |||
切断用鍛造工具。硬鋼で出来ており,先端がシャープな刃になっている。頭部をハンマー等でたたいて鉄材の切断または仕上げに用いる金工用工具。ボルトやナットを削ったり,切断することが出来る。石やコンクリートに用いるものもある。動力にエアーを使って連続的に打ち付けるエアーチゼル(ジェットチゼル)もある。また先端に刃が付いていない対象物を押し出す目的のポンチもこの仲間である。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | |||
関連用語 | |||
類似語 | のみ, ポンチ, センターポンチ, エアーチゼル, ジェットチゼル, 平たがね, エボシたがね, コンクリートタガネ | ||
略語 | |||
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タグボート Tug Boat | |||
海洋石油掘削装置に使われるタグボートは、移動の際の曳航作業、アンカー設置などの係留作業、稼動中の資材運搬作業の3つの機能が要求されている。そのため船体の大きさに比べて高馬力のエンジンを備え、また係留作業のために甲板後部が開いており、大きなスターンローラーでアンカーやブイを海中に設置し易い構造となっているのが特徴である。 | |||
分野 | 海洋掘削 | ||
同義語 | ワークボート, アンカーハンドリングボート | ||
関連用語 | サプライボート, スターンローラー, ペンダントワイヤ, アンカーブイ | ||
類似語 | 資材補給船 | ||
略語 | AHTSV | ||
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多層仕上 Multiple Completion | |
坑井の仕上に際し、同一坑井で複数の生産層(仕上層)に対し別々に生産する方法である。通常、プロダクションケーシング内に2本のチュービング、複数のパッカーおよびそれに付帯する装置を取付け、降下し仕上る。仕上層が数枚ある場合、坑井数を減らせる。生産層を選択して生産できる利点がある。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
脱水特性 Filtration Properties | |
坑井内にある泥水は,砂層のような浸透性地層に対しては,地層面が一種のろ過器となって,泥水柱圧力と地層圧力との差圧によって,泥水中の水分がろ過されて地層中に失なわれ(脱水),地層面に泥水中の粘土分を主体としたコロイド分が泥壁として形成される特性をもっている。この性質を脱水特性または泥壁形成性という。脱水による泥壁の形成性,地層の崩壊や坑内障害の防止あるいは油層,ガス層の保護に対して非常に重要な役割りを果たすものであって,その良否は泥壁の厚さ(mm)と脱水量(c.c)で判定する。脱水量が少なく,泥壁が薄くて丈夫な泥水ほど良好な泥水である。脱水特性の測定は,普通はAPI規格によるフィルタープレス(常温7ksc加圧30分テスト)によるが,深掘井や高温度坑井では特殊な高温高圧フィルタープレス(300゜F,500psi,30分)を併用して,より厳密なチェックを行なうことが必要である。 | |
分野 | 掘削流体 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
多目的ジャッキアップリグ Multi Purpose Jack-up Rig | |
通常の掘削に加えて、坑井仕上げ、ガスおよび水圧入、水圧破砕、カッティング再圧入作業等が実施できるよう設計されたジャッキアップリグ。アラビア湾内など、相当数の坑井が存在する地域においては、通常の新規掘削に加えて上記のような仕上げ作業が頻繁に発生するため、多目的に使用できるリグの利便性は高い。近年、同様のスペックを満たしながら更なるコストダウンのために、多目的バージの導入も検討されている。 | |
分野 | 総合技術の進歩 |
同義語 | |
関連用語 | 水圧破砕, カッティング再圧入 |
類似語 | |
略語 | |
探掘井 explotatory well | |
既に油・ガス層が発見された地質構造での油・ガス層の広がり・諸特性を調査しその油・ガス田評価を高めるために掘削される坑井をいう。評価井とも呼ばれる。 | |
分野 | |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
単層仕上 Single Zone Completion | |
坑井の仕上に際し、単一の貯留層(仕上層)のみから生産する方法である。通常、プロダクションケーシング内に1本のチュービングおよびパッカーを降下し仕上る。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
炭田ガス Coal Field Gas | |
炭田地帯で炭層または炭層付近の地層から産出されるガス。石炭層またはその直下,直上から産出するガスを石炭層ガス,炭鉱または周辺から産出するガスを炭鉱ガスと呼ぶ。 | |
分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | |
関連用語 | 構造性ガス, 油田ガス, 水溶性ガス |
類似語 | |
略語 | |
チェーン Chain | |||
高張力鋼のリンクを数珠繋ぎにつないだ連続の鎖で,ワイヤーよりも伸びが少なく扱い易く強力であるが,ショックには弱い。スピニングチェーンは手や指の事故が多く発生し,スピニングレンチに取って替わられた。櫓下のチェーンとしてはトングのメイクアップやブレ−クアウトのライン,ホイストのフック部分等に使われている。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | 鎖 | ||
関連用語 | スピニングレンチ | ||
類似語 | スピニングチェーン, キャセッドチェーン | ||
略語 | |||
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チェーントング Chain Tongs | |||
トングの一種でチェーンを丸い鉄管にかけて鉄管を回したり押さえたりする道具。パイプレンチは比較的小径のパイプに使われるが,このチェーントングはチェーンの長さに応じて大径のケーシングパイプなどに使われる。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | バリカン | ||
関連用語 | レンチ, トング | ||
類似語 | チェーンレンチ, ベルトトング | ||
略語 | |||
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チェーンブロック Chain Hoist, Chain Block | |||
ブロック内のギアをチェーンで回転させ,数トンまでの対象物を吊り上げる事が出来る装置である。ハンディであり,どこでも使える利点があり,フック側のチェーンを長くすることで揚程を増加させることも出来る。また巻き上げばかりでなく水平に引っ張ることにも利用される。同様の働きをするものにレバーブロックがある。手で巻き上げる代りに圧縮空気や電気モーターを用いたものもある。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | |||
関連用語 | 滑車 | ||
類似語 | レバーブロック, ヒッパラー | ||
略語 | |||
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地層圧 Formation Pressure | |
地層の孔隙内に存在する流体の圧力で,間隙圧力,地層流体圧,地層間隙圧とも言われ,DSTあるいはプロダクション・テストのシャットイン時の圧力(坑低圧力)測定や物理検層時のRFT検層機による圧力測定で地層圧が測定される。地表から静水圧力に相当する地層圧を正常圧層といい,正常圧より低い場合は異常低圧,高い場合は異常高圧という。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | Formation Pressure, Pore Pressure, Fluid Pressure |
関連用語 | 岩圧, 地層破壊圧 |
類似語 | |
略語 | |
地層破壊圧 Formation Fracture Pressure | |
地層に亀裂(破壊)を生じさせるのに必要な圧力あるいは地層に亀裂(破壊)を生じることなく耐えうる最大の泥水柱圧のこと。通常は岩圧(1psi/ft勾配)の65%から85%が地層破壊圧となる。一旦,地層が破壊し亀裂が拡大して行く圧力をFracture Propagation Pressureといい,地層破壊圧より低い値となる。地層の破壊圧力は岩石粒子の水平強度と地層圧力の和と等しいかそれ以上とされる。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | 地層破砕圧力 |
関連用語 | 地層圧, 岩圧 |
類似語 | |
略語 | |
チップホールドダウン効果 Chip Hold Down Effect | |
通常ビット荷重がトゥースを通じて岩石に加えられるとき,岩石には亀裂が発生し,その亀裂に沿って岩石チップが剥離されて排除されるが,その条件としてその亀裂に泥水が侵入して岩石チップを浮かさないと排除出来ない。脱水量の少ない泥水の場合,その亀裂に泥水が侵入せず,亀裂口には薄いケーキをも形成するので岩石チップは浮き上がることができない。泥水柱圧と地層圧がバランスもしくはオーバーバランスならなおさら岩石チップはそのままホールドされる。この現象のことをチップホールドダウン現象という。 | |
分野 | 掘削機器用語 |
同義語 | |
関連用語 | ビット |
類似語 | |
略語 | |
地熱井 Geothermal Well | |
地熱中の蒸気,熱水の調査,採取,還元を目的として掘削される坑井をいう。 主に地熱発電を目的とし,地熱井によって地下の貯留層(蒸気や熱水が溜まっているところ)から蒸気と熱水を取り出し,蒸気でタービンを回して発電している。発電した後で蒸気が冷えて水になった熱水と蒸気の凝縮水は,還元井と呼ばれる井戸を使って地下の貯留層に戻され,マグマの熱で再び加熱され,リサイクルされる。地球温暖化の元凶である炭酸ガスの排出量が少なく,地球環境に優しいことが大きな特徴で,国産クリーンエネルギーとしても注目されている。また,地熱発電のほか,温泉(浴用),暖房・熱水利用(家庭用,農業用,工業用)といった用途がある。 |
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分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | |
関連用語 | 蒸気井, 還元井 |
類似語 | 地熱発電 |
略語 | |
地熱熱水 Geothermal Hot Water | |
地熱井より噴出する高温の地下水。一般的にその1/4〜1/5の蒸気(重量比)とともに噴出する。 | |
分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | |
関連用語 | 地熱井 |
類似語 | |
略語 | |
中性子検層 Neutron Log | |
中性子源から放射された高速中性子が,地層構成物質の原子核に衝突して減衰する現象を利用する検層。中性子は同質量の水素原子核との衝突で最も大きく減衰する。地層中の水素原子はほとんど孔隙中の水として存在するので,これにより孔隙率を求めることができる。中性子源としては通常,241Am-Be が使用される | |
分野 | 物理検層種目 |
同義語 | 放射能検層 |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
チュービング Tubing | |
生産井から油・ガス採取のために、プロダクションケーシング内に設置される小口径パイプをいう。パイプの材質としてはプラスチック,鋼鉄、ステンレス鋼、ニッケル合金などがあり、サイズとしては3/4〜5-1/2inのものがある。一般的にAPIにより規格化されている。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | TBG |
チュービングスプール Tubing Spool | |
ケーシング・ヘッド上に取付、チュービングストリングスの重量を吊り、ケーシングとチュービング間の圧力を閉塞するための上下フランジ付き器具(容器)をいう。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | チュービングヘッド |
関連用語 | チュービング, チュービングハンガー, クリスマスツリー |
類似語 | |
略語 | TBG SPL |
チュービングハンガー Tubing Hanger | |
チュービングスプール内にチュービングを懸架するための装置。チュービングと捻子等で接続し、チュービングスプール内のテーパー部に載せチュービングを支える。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | だま, チュービングだま |
関連用語 | チュービング, チュービングスプール |
類似語 | |
略語 | TBG HGR |
超高温度用泥水 Ultla High-Temperature Water Based Drilling Fluid System | |
"5 | |
分野 | 掘削流体 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
チョーク Choke | |||
ウェルコントロール時に坑井内に背圧をかけるための絞り弁で,Cameron社,Swaco社が有名。手動で絞りをコントロールするタイプのアジャスタブルチョーク,生産井などで使用される絞りが固定された(絞りを変化させる必要のない)ポジティブチョーク,また油圧によって絞り具合を遠隔操作するタイプのハイドロリックチョークなどがある。ハイドロリックチョークはチョークの開閉度を調節することによって,コンソールパネルにおいてケーシング圧,ドリルパイプ圧,ポンプ回転,ポンプストローク数をモニタリングすることができる。 | |||
分野 | 噴出防止用機器 | ||
同義語 | |||
関連用語 | リモートチョーク, チョークマニフォールド | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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チョークマニフォールド Choke Manifold | |||||||
チョークラインやキルラインを通過した侵入流体を,チョークまで導く間に安全性を高める上でいくつかのバルブを介している。基本的にチョークはBOPと同等の耐圧を有している。 | |||||||
分野 | 噴出防止用機器 | ||||||
同義語 | キルチョークマニフォールド | ||||||
関連用語 | チョーク, リモートチョーク | ||||||
類似語 | |||||||
略語 | |||||||
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貯溜岩 Reservoir Rock | |
トラップ内で石油や天然ガスを集積している岩石をいう。帽岩(Cap Rock)は,貯溜岩の上方または側方にあって,炭化水素の逸散を防いでいる岩石を指す。貯溜岩は高い孔隙性と浸透性を持つが,帽岩はその逆の岩石物性を示す。ある条件さえ整えば,全ての種類の岩石は貯溜岩になり得る可能性を持っている。 | |
分野 | 一般掘削用語2 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | 帽岩 |
略語 | |
ツーコーンビット Two Cone Bit | |||
トリコーンビットに対し,コーンが1個少ないビットで,デザイン上はベアリングを丈夫にすることが可能で,歯の摩耗よりベアリングの摩耗が著しい地層向けである。ツーコーンビットは歯と歯の間隔が広く,切り込みも深く高さを充分にとっていることから,坑井断面積に対してビット断面積が小さいので,カッティングスが坑底からビット上部へ抜けやすい。このため粘着性が高く未固結の地層を掘削するときや,トリコーンビットを使用すると張り付きの傾向がある地層を掘削するときに使用される。また,ビットがふらつきやすいので,増角減角には有利で,沿角や垂直掘りに不利と言える。 | |||
分野 | 掘削機器用語 | ||
同義語 | |||
関連用語 | トリコーンビット, ローラーコーンビット, ベアリング | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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ツールプッシャー Tool Pusher | |
掘削請負会社(ドリリングコントラクター)の職位(職務),組織上の地位。 一般的には,掘削請負会社(ドリリングコントラクター)におけるドリリングクルー(1組)の責任者を示す。ドリリングスーパーの指揮下で作業従事時間中のクルーを直接監督,指示する立場にある。組織(会社)によっては,ドリリングスーパーと同格で呼称する場合もある。また,石油会社に所属する作業監督者を呼ぶ場合もある。 |
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分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | 掘削班長, 掘削主任 |
関連用語 | ドリリングスーパー, ドリラー, デリックマン, ポンプマン, フロアーマン |
類似語 | タワープッシャー |
略語 | TP |
ティース Teeth | |||
ローラーコーンビットでスチールの削りだしによって形成された歯先。この歯先を有するビットをティースビットという。また,歯先の先端をトゥースクレスト(Tooth Crest),歯と歯の谷間の部分をトゥースルート(Tooth Root)と呼ぶ。歯の噛み合い深さをTeeth Inter Fitといい,メッシュで表す。 | |||
分野 | 掘削機器用語 | ||
同義語 | |||
関連用語 | ローラーコーンビット, ミルツースビット | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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ティースゲージ Teeth Gauge | |
通常トゥースビットのゲージ列パターンはA字の山型のトゥースで,これをAティースゲージと呼ぶ。Tティースゲージとは,ゲージ面が広く広がっていて先端がT字型をしているものを指し,Uティースゲージとは,先端がU字型をしているものを指す。また,広がったゲージ面が繋がって,切れ込みの入った連続面になったものをウェブゲージ(Web Gauge)と呼ぶ。 | |
分野 | 掘削機器用語 |
同義語 | |
関連用語 | ビット |
類似語 | |
略語 | |
泥水検層 Mud logging | |
マッドロギングの項、参照。 | |
分野 | |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
泥水置換効率 Displacement efficiency | |
裸坑とケーシングの環状間隙部の泥水をセメントスラリーに置換する効率のこと。環状間隙部で泥水が充分にセメントスラリーに置換されないと、上下層の圧力導通などの障害が発生する。泥水置換効率をたかめる方法としては、セメンチング前の調泥の最適化、ケーシングセントラリゼーション、セメンチング中の管動、高レートによる後押し、坑壁スクラッチャーの使用等がある。 | |
分野 | セメンチング |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
泥水柱圧 Hydrostatic Pressure | |
流体の柱によって生じる圧力を水頭圧という。水頭圧は流体の重量によって生じるが,ある点の水頭圧は,その点よりも上の流体の高さと,流体の比重によって定められる。すなわち,泥水柱圧とは,坑井内のある点から地表までの泥水柱によって生じる圧力のことをいう。 次式によって求められる。 泥水柱圧(kg/cm2)=泥水比重(g/cm3)×泥水頭(m)×1/10 |
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分野 | ウェルコントロール |
同義語 | 水頭圧, 泥柱圧, 静水圧, 泥水柱圧力, 泥水圧 |
関連用語 | 圧力勾配, 泥水, 抑圧泥水比重 |
類似語 | 坑底圧 |
略語 | |
泥水比重 mud density | |
掘削に使用する泥水の単位容積あたりの重量。単位はg/cm3あるいはlb/gal(ppg)。泥水には地層流体(油、ガス、水)の坑内流入・噴出を防止、坑壁の保護、カッティングスの地表への搬出などの役目がある。地層流体の流入防止のために、泥水に重晶石の粉末(バライト、BaSO4、比重4.00-4.25)などを加重剤として混入し、坑壁・坑底にかかる泥柱圧を調整して地層圧とバランスをとる。 | |
分野 | |
同義語 | |
関連用語 | バライト |
類似語 | |
略語 | |
ディップメータ検層 Dipmeter Log | |
坑井および地層の方位・傾斜を測定する。ゾンデには標準で4 本のアームが取り付けられており,マイクロ比抵抗電極付きのパッドが装着されている。また,坑井の方位・傾斜(=ゾンデの方位・傾斜)測定のために磁力計と三軸加速度計を備えている。アームを放射状に開き,パッドを坑壁に圧着させながらゾンデを引き上げ,地層比抵抗を連続的に測定する。各パッドの電極で記録された比抵抗値の対比をとり,坑井方位データと合わせることにより地層の方位・傾斜が求められる。 | |
分野 | 物理検層種目 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
テーブルトルク Rotary Table Torque | |
ロータリーテーブルに作用する回転トルク。チェーン駆動のロータリーテーブルの場合,アイドラーホイールについている油圧ピストンの油圧力の変化としてチェーンの張力を測定することによって,ロータリーテーブルトルクの変化を読取る。したがって,通常,単位の無い相対的なトルク変化として表示される。専用モータードライブのロータリーテーブルの場合は,モーター電流の変化を計測するため,適正な較正を施すことによって信頼性のあるトルク値を得られる。 | |
分野 | 坑井情報収集・処理システム |
同義語 | |
関連用語 | ロータリーテーブル |
類似語 | |
略語 | |
デガッサー Degasser | |||||||
泥水中のガスを取り除く装置で,通常型と真空型がある。通常型は,泥水を激しくかき乱すことで液面下にある気泡を泥水表面に移動させて脱気を促す装置。また,真空型は,泥水をプレート上にスプレーして薄いフィルム状態とし,減圧することで気泡を大きくし,表面に浮かび上がらせて脱気を促す装置。 | |||||||
分野 | 泥水循環機器 | ||||||
同義語 | |||||||
関連用語 | |||||||
類似語 | |||||||
略語 | |||||||
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デサンダー Desander | |||
ハイドロサイクロンの遠心力を利用して泥水中のソリッドを分離,取り除く装置。 | |||
分野 | 泥水循環機器 | ||
同義語 | |||
関連用語 | デシルター, マッドクリーナー | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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デシルター Desilter | |||||||
ハイドロサイクロンの遠心力を利用して泥水中からデサンダーより小さなソリッドを分離、取り除く装置。ハイドロサイクロンには、フィードチャンバーの径が1インチのものから12インチのものまで、様々なものがあるが、一般に5インチ以下のものをデシルターと呼んで区別している。 | |||||||
分野 | 泥水循環機器 | ||||||
同義語 | |||||||
関連用語 | デサンダー, マッドクリーナー | ||||||
類似語 | |||||||
略語 | |||||||
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デッチマグネット Ditch Magnet | |
棒又は板状の磁石で,金屑が揚がってくる時などに,これを数個デッチの中にセットしておき金屑を採集する。 | |
分野 | 泥水循環機器 |
同義語 | |
関連用語 | デッチ |
類似語 | |
略語 | |
デッドライン Dead Line | |
クラウンブロックのシーブから,マスト下部に設置されたデッドラインアンカーに固定されるまでのドリリングライン。ファーストラインと反対の端に位置する。ドリリングラインの切り詰めやスリップ(スライド)作業時以外は,ドローワークスドラムの回転やトラベリングブロックの昇降に関係なく,常に静止していることから名付けられた。 | |
分野 | 櫓およびストラクチャー |
同義語 | |
関連用語 | ドリリングライン, ファーストライン, デッドラインアンカー |
類似語 | |
略語 | |
デッドラインアンカー Dead Line Anchor | |||||||
デッドラインの固定に用いる器具。ドリリングライン切り詰め,およびスリップ(スライド)作業を円滑に行える機構や,フックに掛かる荷重及び掘進中のビット荷重を計測するためのセンサーが取り付けてある。 | |||||||
分野 | 櫓およびストラクチャー | ||||||
同義語 | |||||||
関連用語 | デッドライン, ドリリングライン, ファーストライン | ||||||
類似語 | |||||||
略語 | |||||||
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デュアルグラーディエント掘削 Dual Gradient Drilling System | |
デュアルグラーディエント掘削システムは,地表から坑底までを同一比重の泥水を使う従来の掘削法に対し,坑内に比重の異なる2種類の比重を有する泥水を使う掘削法である。 特に大水深では,坑内に働く総堆積荷重は,水深分の水頭圧とその掘削深度までの地層荷重の総計となり,荷重の大部分は海底から地上までの海水によるもので,地層に加わる圧力からライザー内の泥水柱圧力を分離あるいは減少させ,水深分の過重な泥水圧が坑内に及ばないという利点を持っている。 |
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分野 | 新技術 |
同義語 | デュアルデンシティー(Dual Density)掘削システム |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | DGD |
デリックマン Derrick Man | |
掘削請負会社(ドリリングコントラクター)の職位(職務),組織上の地位。 ドリリングクルーの構成員で,デリック上部に位置する四本場および一本足場で,パイプやケーシングのハンドリング作業を担う。四本場での作業は,ロータリーテーブルから約30m前後の高所での作業なので,高所恐怖症や高所が苦手な者には出来ない。最新のリグでは,高所作業の自動化が進み,デリックマンが行う作業を機械が代行することで,デリックマンを置かないところもある。 |
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分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | |
関連用語 | ドリリングスーパー, ドリリングクルー, フロアーマン, ツールプッシャー, ポンプマン |
類似語 | 掘削係, 掘削技師, ドリリングエンジニア |
略語 | |
デリベリースタンド Delivery Stand | |||
坑内循環のために,スタンドマニホールドから櫓に沿って固定された鉄製パイプである。その先端部にはグーズネックおよびロータリーホースが接続されるため,高さはロータリーホースやケリーの長さに左右される。 | |||
分野 | 泥水循環機器 | ||
同義語 | スタンドライン | ||
関連用語 | スタンドマニホールド, グーズネック, ロータリーホース | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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デリベリーライン Delivery Line | |||
ポンプの吐出ラインをデリベリーラインと呼んでいる。吸い込み側のラインをサクションラインと言う。 | |||
分野 | 泥水循環機器 | ||
同義語 | |||
関連用語 | サクションライン, マッドポンプ | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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テレスコープ式マスト Telescopic Mast | |||||||
マストが伸縮できる構造のもので,一般に小容量で比較的浅い坑井の掘削と坑井サービスに使用される。マストの伸縮はワイヤーラインまたは油圧シリンダーによる。 | |||||||
分野 | 櫓およびストラクチャー | ||||||
同義語 | テレスコープ式デリック | ||||||
関連用語 | マスト, ジャックナイフマスト, スタンダードマスト, カンチレバーマスト, ダイナミックマスト | ||||||
類似語 | |||||||
略語 | |||||||
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電気検層 Electrical Survey | |
坑井内降下電極より電流を流し地層比抵抗(単位:ohm-m)を測定する。電極配置によりノルマル法とラテラル法がある。地表電気探査の二極法に相当するノルマル法では,16 インチ(ショート・ノルマル)と64 インチ(ロング・ノルマル)の二種類の電極間隔が標準である。ただし,歴史的経緯から,種目を問わず物理検層の総称として用いられる場合もある。 | |
分野 | 物理検層種目 |
同義語 | 比抵抗検層 |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
動荷重 Dynamic Load | |
海洋掘削においてセミサブリグあるいはドリルシップリグでは,波やうねり,潮流,潮の干満等により,ピッチ(前後方向に対する回転周期運動),ロール(左右方向に対する回転周期運動),ヒーブ(上下の周期運動)が発生し,これによって生じる荷重を動荷重という。またフックが上下運動をすることによって生じる荷重を動荷重ということもある。 | |
分野 | 櫓およびストラクチャー |
同義語 | |
関連用語 | 最大フック静荷重, 設計荷重 |
類似語 | |
略語 | |
等価循環泥水比重 Equivalent Circulating Density | |
泥水循環中のアニュラスの圧力損失は,常時坑底に作用している。この坑底にかかる圧力は,泥水柱圧とアニュラスの圧力損失の合計で表される。この圧力を泥水比重に換算した値を等価循環泥水比重という。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | 当量循環比重 |
関連用語 | 泥水柱圧, 圧力損失 |
類似語 | 等価泥水比重, EMW |
略語 | ECD |
等価泥水比重 Equivalent Mud Weight | |
坑底にかかる圧力を泥水比重に換算したもの。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | |
関連用語 | ECD, 等価循環泥水比重, 泥水 |
類似語 | |
略語 | EMW |
トータルフローエリア Total Flow Area | |
ビットのウォーターコース(ビットハイドロリクスデザインの要素で,掘削流体の流路)の総断面積。ノズルの場合,全ノズルの流路面積の合計。フィックスドカッタービットでオープンスロートの場合,ビットノーズ部を掘削面に接触させた場合にビットボディとの間にできる隙間の合計面積。 | |
分野 | 掘削機器用語 |
同義語 | |
関連用語 | ビットノズル, ビット, フィックスドカッタービット |
類似語 | |
略語 | TFA |
ドックハウス Dog House | |
ドローワークス(掘削機)の近傍またはドリルフロアの片隅に設置されたハウスで,ドリラーの事務室あるいは資料室,またドリリングクルーの休憩室として使われているハウスを称する。 | |
分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | 暖室 |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
トップアウトジョブ Top out job | |
地表近くのケーシング環状間隙部に小径のパイプを降下し、地表部までの必要セメントスラリーを送入すること。コンダクターケーシング等で坑口装置を保持するために、セメントを地表部までセットする必要があるにもかかわらず、セメンチング作業中の逸泥や掘進時の予想外の坑径拡大等で、セメントスラリーが地表までリターンしてこない場合、このような補修のセメンチング作業が必要となる。 | |
分野 | セメンチング |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
トップキル法 Top Kill Method | |
シャットインした時にドリルストリングがあった場所で循環をしてキックをコントロールする手法。ビットが坑底にないため作業が複雑になる。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | オフボトムキル法 |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
トップドライブドリリングシステム Top Drive Drilling System | |||||||
トップドライブドリリングシステムの構造は,大きく分けてドリルストリングを回転するモータ部,ドリルパイプを接続したり戻したりするためのパイプハンドリング部,および掘削泥水を送るためのスイベル部からなり,従来ケリーとロータリーテーブルが果たしていた役割を完全に代行できる。フックブロックから吊り下げて使用されるものが多い。駆動方式には2種類あり,直流モータで駆動する方式と油圧モータで駆動する方式がある。またトップドライブシステムの回転反力を支えるためのガイドレール,およびガイドドーリーが必要である。ケリーを使用する掘削方法と比べてトップドライブシステムは,揚降管作業の途中でも直ちにドリルパイプとの接続が可能であるため,坑内状況が悪い場合は速やかに循環に移れる。またドリルパイプスタンドを上部から直接回転できるのでリーミング作業が容易であり,バックリーミングも可能である。 | |||||||
分野 | 櫓下機具 | ||||||
同義語 | パワースイベル | ||||||
関連用語 | |||||||
類似語 | TDS, トップドライブシステム, オーバーヘッドドリリングシステム, RBS, レイズドバックアップシステム | ||||||
略語 | TDDS | ||||||
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トッププラットフォーム Top Platform | |
掘削櫓の頂上部でクラウンブロック周辺の足場である。 | |
分野 | 櫓およびストラクチャー |
同義語 | ガード |
関連用語 | クラウンブロック, デリック |
類似語 | |
略語 | |
ドライバー Screwdriver, Phillips screwdriver | |||
ネジを締めたり戻したりするのに使われ,そのネジの頭の溝の形状によりマイナス,プラスと分けられる。通常スクリュードライバーと言えばマイナスのことを指し,プラスはフィリップス.スクリュードライバーと外国では呼ばれている。その他,六角ナット用のものや電工用の検電ドライバー,ハンマーでたたいて戻す打撃ドライバーなどがある。寸法は主として,軸のつけ根から先端までの長さで呼び,またそれに先端部の刃幅を組合わせて呼ぶこともある。この長さと刃幅はJIS規格で決まっている。軸の材料は,硬鋼線材(炭素Cの含有量が0.45〜0.65%)やその他の合金鋼が使われている。合金鋼は鋼(はがね)にクロームバナジュームなどの合金を相当量加えて,摩耗や衝撃に強い性質を持たせた鋼です。 先端部または軸部全身には熱処理(焼入れ・焼戻し)がしてあり,その硬さはロックウェルCスケールの52以上が標準となっている。軸部の表面処理は,クロームメッキ(強靭なメッキ層を持ち光沢が美しい),黒染(四三化鉄被膜による防錆処理)や鋼材そのままのものの他に,「ブラックポイント」という精度が高く耐久性に優れた加工もある。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | |||
関連用語 | |||
類似語 | プラスドライバー, マイナスドライバー, フィリップス, 精密ドライバー, ボックスドライバー, ナットドライバー, 打撃ドライバー, 検電ドライバー, スクリュードライバー | ||
略語 | |||
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トラベリングブロック Travelling Block | |||||||||||||||
櫓の頂上部に取りつけられた定滑車であるクラウンブロックと滑車系を構成する動滑車である。シーブの数や型式により荷重容量が異なる。現在では,トラベリングブロックとフックを組み合わせた一体型のフックブロックが多く使用されている。 | |||||||||||||||
分野 | 櫓下機具 | ||||||||||||||
同義語 | 四車 | ||||||||||||||
関連用語 | フック, フックブロック, クラウンブロック | ||||||||||||||
類似語 | |||||||||||||||
略語 | |||||||||||||||
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トリコーンビット Tricone Bit | |||
通常,ローラーコーンビットと言えば,トリコーン(3つのコーン)ビットのことを指す。材料は,珪素モリブデン鋼が用いられ,ボディとコーンはSAE4815H鋼を使用し,ボディは鍛造成型し,コーンは浸炭焼入れ,焼き戻しによってロックウェル硬度60程度としている。ベアリングは珪素モリブデン鋼で軸受類はNR-1鋼を使用し浸炭焼入れする。現在各社で製造されるビットは,材質,強度とも大きな差はない。軟岩用から硬岩用まであり,地層に合わせて幅広く選択可能である。 | |||
分野 | 掘削機器用語 | ||
同義語 | ローラーコーンビット | ||
関連用語 | ビット, インサートビット, ミルツースビット, ツーコーンビット | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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トリップ Trip | |
坑井においては,ドリルストリングの揚降管作業全般をいう。また,全てのストリングを回収することなく,ある一定区間のみの揚降管作業をショートトリップという。 | |
分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | 揚降管, 揚管, 降管, あげさげ |
関連用語 | ドリルストリング |
類似語 | ショートトリップ |
略語 | |
トリップガス Trip Gas | |
揚管作業時にスワッビング作用による坑底圧の低下が起こるために,揚降管後の最初の一循環目にはガスカットされた泥水がリターンする。これをトリップガスという。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | |
関連用語 | キック, コネクションガス, ガスカットマッド, バックグランドガス, プロデュースドガス, スワッビング |
類似語 | |
略語 | |
トリップタンク Trip Tank | |||
坑内にあるストリングを揚管すると、揚管したパイプの排泥量分に相当する坑内の泥水レベルが下降する。トリップタンクは、適切な泥水柱圧の維持のため、排泥量を計量しながら補泥する際に使用するタンクである。 | |||
分野 | 泥水循環機器 | ||
同義語 | ポッサムベリータンク | ||
関連用語 | |||
類似語 | ミニトリップタンク, デュアルトリップタンク, ストリッピングタンク | ||
略語 | |||
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ドリラー Driller | |||
掘削請負会社(ドリリングコントラクター)の職位(職務),組織上の地位。 ツールプッシャーの指揮下にいて,主にドローワークスを操作し掘削作業,揚降管作業,ケーシングの設置作業等を行う。坑内状況の把握,掘削計器の監視,ドローワークスや掘削機器の操作に対する熟練した技術と,状況に応じた適確な判断力が必要となる。また,ドリラーを補佐あるいは補助するためにアシスタントドリラーがいるのが一般的である。 目に見えない不連続的な地下を掘削することで,多くの経験と知識に加え,想像力と熟練した技術力を必要とする。しかし,最近では自動化が進みコンピュータ制御の掘削システムもあり,目の前のモニターを見ながら,ジョイステックで作業モードを選択することで,ほぼ自動で行えるようになり,ドリラー個人の掘削作業に対する経験,知識に依存する領域は激減した。 |
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分野 | 一般掘削用語 | ||
同義語 | 機長, ハンドルマン | ||
関連用語 | ドリリングスーパー, デリックマン, ポンプマン, フロアーマン, ツールプッシャー | ||
類似語 | 掘削係, 掘削技師, ドリリングエンジニア | ||
略語 | |||
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ドリラーズ法 Driller's Method | |
キック(ウェル)コントロールの1つの方法オリジナルの泥水を用いて侵入流体を最初に排出し,その後,抑圧泥水で循環し坑内泥水を置換する方法をいう。抑圧泥水比重の計算以外に複雑な計算を必要しない。シャットイン圧力,シャットインケーシング圧力を指標に侵入流体の排出が行えることに特徴がある。 ■長所 抑圧泥水の準備がなくても循環を開始できる。ドリルパイプ圧変化の計算をしなくても坑底圧≧地層圧の関係を保持可能である。単純な作業工程である。 ■短所 他の方法と比べて,ケーシング圧の上昇が最も高い。他の方法と比べて,裸坑部にかかる圧力が最も高い。少なくとも一循プラスボトムアップ(二循)が必要である。チョーク操作が長時間化する。 |
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分野 | ウェルコントロール |
同義語 | 2-Circulation Method |
関連用語 | キックコントロール, ウェイトアンドウェイト法, サーキュレートアンドウェイト法, 坑底圧一定法 |
類似語 | コンベンショナル法 |
略語 | |
ドリリングクルー Drilling Crew | |
掘削現場において,掘削装置あるいは機器を操作し,実際の掘削作業に従事する者のグループを言う。ツールプッシャー以下,ドリラー,アシスタントドリラー,デリックマンあるいはポンプマン,フロアマン等によって1組のドリリングクルーが構成される。 掘削作業は,8時間または12時間交代で24時間昼夜を問わず行われるため,,1つの掘削現場には,8時間交代であれば3組のドリリングクルーが,また,12時間交代であれば2組のドリリングクルーが常駐していることになる。 |
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分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | 手組, 番方 |
関連用語 | ツールプッシャー, ドリラー, デリックマン, ポンプマン, フロアーマン |
類似語 | クルーチェンジ, マリンクルー, メンテナンスクルー |
略語 | クルー |
ドリリングスーパー Drilling Superintendent | |
掘削請負会社(ドリリングコントラクター)の職位(職務),組織上の地位。掘削現場における最高責任者となる。 | |
分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | 掘削監督 |
関連用語 | ツールプッシャー, ドリラー, デリックマン, ポンプマン, フロアーマン |
類似語 | |
略語 | Drlg.Supt., D.Super, DS |
ドリリングブレーク Drilling Break | |
掘進中に掘進率が急に良くなる現象をいう。その原因としては,地層の孔隙率が大きくなった,地層の圧力が高くなった,地層の性質が変化したことが考えられる。 | |
分野 | ウェルコントロール |
同義語 | |
関連用語 | キック |
類似語 | |
略語 | |
ドリリングライン Drilling Line | |
ドローワークスドラム〜クラウンブロック〜トラベリングブロック〜デッドラインアンカーで形成される滑車系に用いられる。鋼製ワイヤーロープのこと。 | |
分野 | 櫓およびストラクチャー |
同義語 | ワークライン |
関連用語 | ファーストライン, デッドライン |
類似語 | |
略語 | |
ドリルカラー Drill Collar | |||
ビットとドリルパイプの間に接続されるドリルパイプよりも径の大きい肉厚な鋼管で,ビットへ下向きの荷重を与えること,ビット直上の激しい応力に耐える機能を有している。 クロムモリブデン鋼(材質は4165Hあるいは42CD)を両端から中ぐりした後,堅さを保持するための焼入れ,焼き戻し(熱処理)を行っている。ドリルカラーのネジは,API規格に準じる。ネジは容易な接続を可能にするためテーパー形状となっている。ネジ部は種々の荷重,応力が作用することからストレスリリーフグルーブが付けられている。初期のロータリー掘削に用いたネジをRegularと呼んだ。ネジの種類は,FH(Full Hole),IF(Internal Flush),NC(Numbered Connection)に分類され,一般的にはNCが使用される。 ドリルカラーには,一般的にリセスショルダーが採用されいる。これは二重リセス構造(ZIP形状)といい,スリップをかける位置にスリップリセスという窪みと,エレベータがかかる位置にエレベータリセスという2つの窪みがある。またリセスをグルーブと称する場合もある。いずれもハンドリング中の坑内落下対策の1つとなっている。 主に使われるドリルカラーの外径は,4-3/4〜9-1/2までのサイズが数種類あり,坑径によって選択される。単位重量は,一番重い9-1/2ドリルカラーで,約4,300kg / 1本(長さ約9m),軽いもので4-3/4ドリルカラーが636kg/ 1本(長さ約9m)となっている。 |
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分野 | 一般掘削用語 | ||
同義語 | |||
関連用語 | ドリルストリング, ストレートドリルカラー, スパイラルドリルカラー, 4角形状ドリルカラー, 非磁性ドリルカラー | ||
類似語 | |||
略語 | DC | ||
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ドリルステムテスト Drill Stem Test | |
ドリルストリングを用い裸坑あるいはケーシング内で行なう地層試験をいう。地層流体の確認、産出能力の把握、地層圧力・温度の測定等に関する調査を目的として行なわれる。坑内機器としてパッカー、ダウンホールバルブ、坑井圧力測定器等がドリルストリングに接続され実施される。この他、地表にはセパレーター、バーナー等からなる簡易生産施設を設置し産出流体の処理を行なう。 | |
分野 | 坑井仕上 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
ドリルストリング Drill String | |
ドリルストリングは,坑底のビットから,ドルルカラー,ドリルパイプを含めて地表あるいは海上で回転しているケリーあるいはパワースイベル直下までの構成全体を称している。ドリルストリングの機能としては,以下が挙げられる。 1.ビットが与える地層の岩石の破壊と剥離,排除に要するエネルギー伝達。 2.ビットの坑跡制御 3.ビットへ荷重の伝達 4.泥水循環 |
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分野 | 一般掘削用語 |
同義語 | チューブラー, 掘管 |
関連用語 | ビット, ドリルパイプ, ドリルカラー |
類似語 | |
略語 | |
ドリルパイプ Drill Pipe | |||
ビットへ回転を伝達し,泥水を坑底に送る役割をする。管体はシームレス(継目無し法)で,熱間加工または熱間加工後,所要の形状,長さ,性質を得るための冷間加工仕上げによって製造される。 ドリルパイプには,ダイカスト製の肉厚を増した(アブセット)ツールジョイントが溶接されている。アブセットには,インターナルアブセット(IU),エクスターナルアブセット(EU),インターナル・エクスターナルアブセット(IEU)があり,IUは内径側,EUは外径側,IEUは両側に肉厚を増したものを示す。ツールジョイントはドリルパイプを接続するために,API規格によるネジが切られている。 ドリルパイプの強度(引張)はグレードで示される。API規格ではE,X,G,Sに分類され,E〜Sの順に強度を増す。長さはAPIの規定によりレンジ1〜3で示し,レンジ1は,18〜22ft,レンジ2は,27〜30ft,レンジ3は,38〜45ftとなる。また,掘削作業によってツールジョイントや管体が摩耗する。この機械的強度の減少に応じてドリルパイプの格付けをAPIで行っている。新管であれば,クラス1,80%以上の標準厚さに対する残厚さであれば,プレミアム,70%以上の標準厚さに対する残厚さであれば,クラス2となっている。 |
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分野 | 一般掘削用語 | ||
同義語 | 掘管, 鉄管, ドリルステム | ||
関連用語 | ドリルストリング, ドリルカラー | ||
類似語 | ジョイント | ||
略語 | DP | ||
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ドリルビットサイスミック Drill-Bit Seismic | |
掘削中のドリルビットが発生する振動ノイズを震源としてVSP(vertical seismic profile)データを取得するSWD技術。地表や海底面に配置した受信器アレイで信号を受信する。ドリルビットサイスミックのことを指してSWDということも多い。ビットを震源としているため特別な坑内ツールを必要とせず,掘削作業を中断する必要が無いなどの利点があるが,ビットの種類や掘削する地層によってデータの品質が大きく左右されるなどの制約がある。ビット以深の地質構造に関する情報を得ることも可能である。 | |
分野 | 坑井情報収集・処理システム |
同義語 | Seismic-While-Drilling VSP |
関連用語 | MWD, VSP |
類似語 | SWD |
略語 | |
トング Tong | |||
トングは左右一組をドリルストリングのジョイント上下に掛けて締め戻しを行うために用いられる。締め戻しには,トングのレバーエンドにワイヤーなどを取り付けドローワークスのメイクアップキャットヘッドまたはブレークアウトキャットヘッドに巻き込まれる力を利用する。ドリルカラーなど締め戻しに大きなトルクを必要とするときには,油圧によりトルクを発生させるハイドロリックキャットヘッドと呼ばれるものを使用することがある。 | |||
分野 | 櫓下機具 | ||
同義語 | ロータリートング | ||
関連用語 | パワートング, スピニングレンチ | ||
類似語 | ケーシングトング, チュービングトング, ハイドロリックキャセード | ||
略語 | |||
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トングプルバック Tong Pullback | |||
トングが引張られる力と逆方向(控えワイヤと同一方向)に接続し,トングレバーを押し返す際に補助するゴムの反力を利用したバンド。 | |||
分野 | 櫓下工具 | ||
同義語 | |||
関連用語 | トング | ||
類似語 | |||
略語 | |||
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トンマイル計 Ton-Mile Indicator | |
ドリリングラインの切詰めや取替えの目安として重要な仕事量を自動的に計測する装置。クラウンブロックに取付けたセンサー部分が計測するライン張力とシーブで計測する回転数の積として得られるラインの仕事量を電気信号に変換して,櫓下や管理室に取付けたトンマイルカウンターに記録する。 | |
分野 | さく井用計測器 |
同義語 | |
関連用語 | |
類似語 | |
略語 | |
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